聖母の被昇天 ルカ1.39-56(尹師)

聖母の被昇天 ルカ1.39-56

今日マリアは、神の天使に会った後、エリザベトに会いに出かけます。福音ではまるで隣の町を訪れるように、簡単に記録されていますが、マリアが住んでいたナザレから、エリサベトがすんでいたアインカリムまでは、130キロも超える大変遠い距離でした。今の時代の車で移動しても、3時間ほど、新幹線でも1時間くらいの距離です。

歩いて行くと三日もかかるところであって、いくつもの峠を超える険しい困難な道であったそうです。マリアのように若い女の人にとって、かなりしんどい旅路だったと思いますが、どうしてこのような険しい道をマリアは旅に出たのでしょうか。

マリアとエリサベトの出会いは、単純に妊娠した二人の女性の出会いではありません。まさに胎内にいる子供たちの出会いが核心です。つまり ヨハネとキリストの出会いであります。

 この出会いは神の摂理で、成し遂げられた古い契約と新しい契約の驚きの出会いであるといえます。「聖霊に満たされ」胎内のヨハネは、キリストに気づいて喜び踊ります。従って、「聖霊に満たされ」て、キリストに気づく人、キリストを告白するすべての者は、「第2のヨハネ」になります。

「第2のヨハネに」なった人の特徴は、何よりも「喜び」であり、さらに、その人の使命は「キリストを準備すること」です。キリストに一番先に出会った者は、マリアでした。エリサベトの叫びを通して見られるように、胎内の子キリストのおかげで、マリアは「一番幸せな女」になります。その幸せは、「主がおっしゃたことは必ず実現すると信じた」、「信仰」によるものだったのです。

また、その信仰は、「マリアの賛歌」を通して、万人のための祈りとして鳴り響いています。キリストともうすでに出会った私たちの人生には、どれほど大きな喜びがあるのでしょうか。ヨハネとマリアのように、キリストと出会った者たちの初めての反応は、「喜びと幸せ」でなければなりません。そうでなければ、今、自分の信仰を振り返って見てはどうでしょうか。

今日の福音の二人の対話は、賛美と感謝です。今日の福音が伝える「マリアの賛歌)」は、名も無い田舎の二人の婦人、16歳のマリアと60代のエリサベトの出会いを通して、身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださる、身分の低い者を高く上げる神様を賛美することです。

今の私たちも同じく、神様に感謝と賛美ができます。イエス様を通して大切な子供となり、神の国を約束されたわけです。そして、マリア様がいつも私たちのもとに来てくださり、見守ってくださいます。いつも私たちが天国に導かれますようにマリア様の取次ぎを願いましょう。

2021年08月14日