11/1緒聖人の勧めのことば (北村師)

諸聖人  マタイ5・1-12 a

今日は天国のすべての聖人のことを称える祭日です。生き方を模範として生活の中で実践されたことを思い起こします。

特に、典礼暦に祝日が別に指定されていない聖人たちを、もっと記憶して称える日であります。

聖人は、死んだ後、奇跡を起こしたことをお祝いするというよりは、神の国を毎日生活の中に生きて証されたことをお祝いしています。

福音で、イエス様は山上の説教を通して「真の幸い」についてお教えになります。

私たちの喜び、幸福、希望、平和はどこにありますか。もし、あるならばどこにありますか。

その原因はどこから来て、どこに探さなければならないですか。全ての人が探している幸福は同じでしょうか。

この世では、すべての人の価値観が違うし、人それぞれの考えが違います。

今日の福音は、この世の目で見る時、皆、不幸な話です。しかしこの人たちは、逆説的に本当の幸福は、貧しいから、幸福ではなく、神の国が彼らのものだからです。それは主のみ言葉により聖霊の導きに従う人々です。

即ち、十字架の聖ヨハネは容易な道と難しい道があるとしたら、いつも難しい道を選びなさいと言いました。イエス様も狭い戸口から入りなさいとおっしゃいました。なぜなら、楽な道とは、利己的な道であり、狭い道とは、人のために自分にとって不便になるからです。

楽な道と不便な道の選択において、愛のため不便な道を選択した人々のために、イエス様は彼らに、またこう仰っているのです。 「喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある」(本当の幸福の“尺度“は、この世の幸福の価値観ではなく、未来にやって来る、新しい秩序、神の秩序の中に探さなければならないからです。それゆえ神の国、幸福の国は、第一ヨハネの手紙にあるように、主に全ての希望をおく生き方です。

今日の全ての聖人の日の喜びは、ひたすら神様だけを信じ、その教えに従い生きた聖人たちのように、神のためにすべての困難や迫害、試練を乗り越え、最後まで忍耐をした人たちの国だからでした。

全てのことを神の国の為に、ひたすら忍耐と謙遜、奉仕と愛を捧げる生き方をした人たちです。この人たちが聖人であり、本当の幸福な人たちです。私たちも日常の生活で聖人になれますように。

2020年10月31日