2023/08/28 「オルガンを弾くことは祈ること 宮坂美和子」

オルガンを弾くことは祈ること

 宮坂 美和子

オルガン奉仕をさせてもらうようになって、かなりの年月が経ちました。初めは西院教会で、そして衣笠教会に移ってからも引き続き弾かせてもらうことができてとても嬉しく思っています。そしてつたない伴奏にもかかわらず皆様が歌ってくださること、神父様がミサを司式してくださることに感謝しています。

私がオルガン奉仕を始めることになったきっかけは、西院教会に在籍していた時に「やってみませんか?」と声をかけていただいたことです。バイオリンには少し親しんでいましたが、鍵盤は自信がないし始めは尻込みしていてお断りしようと思ったのですが「オルガンを弾くことによって教会への良い奉仕になるのではないですか」という勧めの言葉もいただいてお引き受けすることにしました。振り返ってみますと、オルガンができたら良いなという思いがいつの頃からか心の片隅にあり、きっとそこに神様が恵みを注いでくださったのかもしれません。

私がオルガン奉仕をさせてもらう時にまず心がけていることは、ミサに来られた皆様が良く歌えるようにということと、司祭が司式しやすいように弾くということです。良く歌えるということはよく祈れるということにも通じることと思います。また、タイミングよく音を出して弾くことによって、司祭もミサを捧げやすくなるのではと思いますし、共により深く神様に心を向けることが出来るのではないか、と考えています。オルガン奉仕者は、大きな大切な役割を担っていると感じています。そのためにはまずよく弾けないといけないし、弾くことによって祈ること、そしてミサをよくわかっていることが必要だと思っています。

2016年に「ミサにおけるオルガン奉仕と実践」という典礼研修会が開催され参加しました。いただいた資料の中にいくつかのポイントが記されてあり、その一つに、「オルガン奏者にとって大切なことは、祈ること・ミサを知ることであり、その上で伴奏によって奉仕することである」と当時助祭の大塚神父様が述べておられます。オルガン奏者が心を乱して落ち着かない様子でいることや、過度に緊張していることなどがあれば、やはりそれが周囲にも伝わると思いますし、祈るのにふさわしい雰囲気を作ることもできないのではと気づき反省させられました。このポイントはとても心に響きこれからも大切にしたいと思いました。

オルガンの技術も不十分で祈ることもあまりできていない、まだまだ未熟な私です。毎回ミサが始まる前からドキドキ緊張して、この曲は弾けるだろうかなどととらわれているときも度々です。でもオルガンを弾かせてもらうことは喜びであり、神様からのこの上ない贈り物だと思っています。ミサで奉仕するときはもちろん、家で練習する時も私にとって大切な祈りの時間となっています。神父様や皆様にはご迷惑をおかけしていますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2023年08月28日